角膜鉄片異物/角膜鉄錆症

鉄を削る作業中に飛び散った小さな鉄片が黒目(角膜)に刺さってしまうことがあります。

鉄は、身近な金属ですが、敏感な黒目に付着したままにすると重い障害を引き起こす恐れがあります。鉄片や鉄粉が黒目に刺さったまま放置しておくと、鉄の周りに錆が発生します。これを「角膜鉄錆症」と言います。この錆を除去せずにいると、錆が角膜に沈着し、炎症を起こします。目の痛み、充血、視力低下などを引き起こします。また、感染症のリスクもあり、早めに取り除くことが大切になります。

角膜鉄片異物を放置して、錆が眼球内部にまで及ぶと、「眼球鉄錆症」というさらに重い障害に発展する恐れがあります。

一般的な治療法としては、麻酔の目薬をしてから、針や細いセッシで異物を除去します。

除去した後は感染症予防の目薬と目の表面を保護する目薬を処方します。

鉄を扱う際にもゴーグルや保護用眼鏡を使用して、金属の破片が目に入らないように予防していただくとよいと思います。